ルミナスタワーズ ver.2 @佐川美術館
KEYWORDS
DATE
2025.07.01
2022年に中国の深圳、2023年に中国の広州にて展開されたTASKOによるライトアート作品「ルミナスタワーズ」。
このたび、TASKOの巡回展「つくる展」@佐川美術館(滋賀県守山市)において、大幅なアップデートを経て国内初展示されました。
アップデートの方向としては、前回まで抽象的な模様を映し出す一種のアート的な演出装置だったところを、今回はより具体的な文字や図柄を表示する、新機軸のサイン・サイネージ装置としての面を強調しています。
本作ではその様々な表現方法を6つのタワーで試みており、それらを一連の流れとして構成して演出しています。各タワーの特徴は以下の通り。
TOWER 1
登山道や街角などに見られる、方向看板のような表現を試みたタワーです。
挨拶のグラフィックの後に、特有のアニメーションによって、設置点である美術館エントランスから美術館各所への方向を矢印で示します。


TOWER 2
床面に加えて、壁面・天井へのグラフィックの投影を試みたタワーです。
本作では少し場所が離れている「つくる展」への誘導として柱と欄間、天井への展示タイトルの表記を投影しています。


TOWER 3
文字表記に重点を置いたタワーです。
特有のアニメーションにより、映画の最後(某作品では冒頭?)にあるようなスクロール表記を床面に投影します。


TOWER 4
絵や図柄の表現をメインとしたタワーです。そのモチーフとして開催地の滋賀や琵琶湖にちなんだ要素をとりいれており、特に開催地の守山市発祥の名物キャラクター・飛び出し坊やの「とび太くん」を軸としています。


TOWER 5
中国展示で展開していたような抽象的なパターンを空間全体に投影します。
今回の新しい試みとして、レンズやミラーを使用してのフレア効果の演出を取り入れています。


TOWER 6
唯一の横型配置のタワーで、壁掛け看板のような効果が見込めます。空間全体から局所へと注意喚起しつつ、壁面にグラフィックを描き出します。


近年、モニター・プロジェクターといった表示装置は、その汎用性の高さから様々な展示環境で使用されるようになりました。
反面、どんな作品や展示物であったとしても使われているのは一様にそれらである、というある種の限定的な状況も作り出しているといえるかもしれません。
本作はそういったモニター・プロジェクターとはまた違った表現手法を探る試みとなりました。元となっているのは影絵というプリミティブな技術でありながらも、その図案や制御を精緻にデザインすることによって動画/サインの表現の新たな形での可能性を模索しています。
【開催概要】
住所:〒524-0102 滋賀県守山市水保町2891−44
場所:佐川美術館 一階メインエントランス
日程:2024年12月19日(木)~2025年02月24日(月)
URL:https://www.sagawa-artmuseum.or.jp
【STAFF】
企画・演出・設計製作・施工:工藤(設計制作部)
演出制御・音楽生成・施工:新美太基
制御デバイス設計製作:沖山良太(設計制作部)
画像生成プログラム製作・施工:成田敬(設計制作部)
PM補佐・製作:佐藤成之(設計制作部)
製作:羽田未佐、長原総磨、大橋里奈、利根康平、小林遼(設計制作部)、轡あずみ(舞台制作部)
ステンシルシート施工:光伸プランニング

