TASKO式 セルフリノベーション完了 ! 祐天寺ファクトリーオープン記念、創業メンバー座談会テキスト掲載。


GEAR UP! TASKO祐天寺ファクトリー、オープン

インタビュー:中高下恵(ココカラ編集長)
写真:桜木彩佳
場所:TASKO 祐天寺ファクトリー
2016/7/19

2012年4月、舞台制作・機械製作・デザイン・マネジメントの、異なるジャンルで活躍していた4人のメンバーが集まり、株式会社TASKOを設立しました。それぞれの得意分野と専門知識、そして手腕を合わせた時、どんなものを世に放つことができるのか?まったく未知の領域ではありました。

でも、ひとつの道具で作れるものは少なくても、たくさんの道具を入れた工具箱からは、きっと他にはないユニークなシゴトがうまれるに違いない。「21世紀型総合アートカンパニー」として、他にはできない、あたらしいシゴトができるに違いない。その想いから走り出したTASKOは、4つの各チームで、そして時には全チームが一丸となってさまざまなプロジェクトに関わってきました。おもしろいシゴトを次々に実現するうちに、どんどん新しいメンバーを巻き込みながら、さらに走り続ける。

そうして4年。

この2016年6月、TASKOはファクトリーを祐天寺のビルに移転。
「TASKO祐天寺ファクトリー」として、さらなるステップアップを目指すことになりました。
そこで創業者の4人にあらためて、祐天寺ファクトリーを拠点としたTASKOの2nd Startupについて話を聴きました。

「正直、ここまで広い物件にする必要あったのか?とは思いましたけど (笑)。」

田井地「もともと、この舞台制作・機械製作・デザインの各部門の創業メンバーが集まれば、どんなことでもサポートしていけるだろう、というイメージがあったわけです。

そのうえでTASKOとして表現できることも生まれる、それもまたTASKOのシゴトであるだろうと。それらの2段活用、3段活用で、どんどんおもしろいものが生まれていくんじゃないかと思って、それぞれのジャンルの4人を武蔵小山ファクトリーという工具箱にぎゅっと詰め込んでみた。

だからシゴトください!みたいな(笑)。そうしたらありがたいことにシゴトも増えて、スタッフも増えて、もう武蔵小山ファクトリーの広さでは物理的に限界!という状態で。」

TASKOの代表取締役としてマネージメント部門を担当する田井地直己

吉本興業株式会社でアートユニット・明和電機のマネージャーを務めた後、TASKOの代表取締役としてマネージメント部門を担当する田井地直己は、TASKOを「様々なものづくりをサポートする会社」というイメージでまとめてきた。

祐天寺ファクトリー 2F
打ち合わせスペース

2F打ち合わせスペースに取り付けられた自作棚。過去の試作品や資料が雑然と並んでいる。この棚がいっぱいになる日も遠くはなさそうだ。

祐天寺ファクトリー 2F 打ち合わせスペース
 祐天寺ファクトリーレイアウトパース

そうして決めた祐天寺ファクトリーは、4F建てのビル1棟まるごとという物件。クリエイティブ集団のTASKOらしく、スケルトン状態のビルのリノベーションも自分たちの手で行いました。

田井地「正直、ここまで広い物件にする必要あったのか?とは思いましたけど、これで伸びしろができたなという気持ちのほうが大きいかな。植物もね、最初から大きい植木鉢に植えると、根がしっかりしないって言うでしょ。

TASKOは4年かけて、武蔵小山ファクトリーでもうしっかり根は張ったぞと。というか、張りすぎてギュウギュウに根詰まりしてる状態だったので、ここはひとつ広いスペースに移って、ここに合わせて自分たちを成長させていこうと。

でもそのためにはちゃんと体を動かして頑張らないといけないので、そういう意気込みでやっていくつもりです。」

スケルトン状態の祐天寺ファクトリー

「どんどんバラバラに発展していっちゃった。でも、やっていくうちに、たまたまそれが交差して、全チームで関わるようなシゴトもできたし、やってみたら、こういうシゴトを今後もっと増やしていけたらいいんじゃないかな。」

KIMURA「実は4人でTASKOをはじめた時から、そもそも各部門はバラバラだったんです。毎日4人で顔を付き合わせてはいたものの、みんなで何かをするという働き方がわかってなかった。

それで各々、どんどんバラバラに発展していっちゃった。でも、やっていくうちに、たまたまそれが交差して、全チームで関わるようなシゴトもできたし、やってみたら、こういうシゴトを今後もっと増やしていけたらいいんじゃないかなと思うようになったんです。」

現在TASKOで最も人数の多い機械製作・アート部門を束ねている工場長KIMURA

明和電機での機械製作、フリーでの活動を経て、TASKO創業メンバーとなった工場長KIMURAは、現在TASKOで最も人数の多い機械製作・アート部門を束ねている。

TASKO初の大型イベント
OKSAT

第一期TASKOのシゴトの集大成とも言えるのが、TASKOらしい新年会をやろう!というところからスタートしたイベント「OKSAT」。クラウドファンディングでの資金集めから、会場設営、ライブ、ワークショップ、フード&ドリンクケータリング、トークライブ、グッズ制作など、TASKOのポテンシャルをフルに活かし、一丸となって成功させた。撮影:刀塚浩介

OKSAT

KIMURA「でも武蔵小山ファクトリーでは、成長にともなって、作業環境が物理的に1Fと2Fに分断されてた。だから、祐天寺ファクトリーへの移転をきっかけに、それがもっと交差していくといいんじゃないかなと思い、3Fのワンフロアに全部署を置くようにフロアの設計をしました。

とはいえ、1, 2 ,3Fと3フロアを使用することになるので、1, 2Fにいると3Fの様子がわからないという問題はあります。そこでいま実験中なのが、定点カメラシステム。みんなの予定が知りたいという事務経理からの希望により、みんなの予定を書くホワイトボードを設置したんですが、結局すみっこの事務経理デスクからはボードに書かれている内容が確認できないんですね。

そこで、1時間に1回、定点カメラからホワイトボードの様子を撮影して、その画像をメールで自動配信するというシステムを作ってみたんです。うまく行って本格運用できるようになったら、これを別フロアにも作って、ちゃんとシステムも作ろうかなって。

別フロアに誰がいるのか把握するために、テレビが1台余ってるんで、そこにストリーミングで配信するシステムを作ってもいいかな、とか。いろいろ考えてるところです。

先日JAXAに行ってきたんですけど、そこではテレビ会議のシステムが頻繁に使われていて、SkypeみたいなITサービスを使うよりも、専用回線で音も映像もクリアで早いし、専用のシステムだから使い勝手もいいらしいんです。そういうのを祐天寺ファクトリーでも作ってみたらどうかなって。あとは駐車場ミラーをつけるとか、いろいろ計画中です。

あと正田さんが片付けやすい空間をどう作るかというテーマもあるんですよね。考えることがいっぱいある(笑)。」

打ち合わせの様子

3階の様子

予定を共有するのに、クラウドの予定表やプロジェクト管理アプリを使わず、いったんホワイトボードというアナログに落とし込み、カメラというメカを通してデジタル配信する。IT系の人が聞いたら首をひねるような、ついでにアナログ派の人もキョトンとさせるような、このアナログとデジタルを融合させたメカニカルなシステムのおもしろさ。なんともTASKOのファクトリーらしい仕掛け。

「本当はもっと舞台制作部もどんなことをやっているか発表していきたい気持ちはあって、いまフリーペーパー『ココカラ』の連載『TASKOのシゴト』も始まったので、少しずつ公開していくつもりです。」

正田「もともと明和電機が吉本興業の舞台に上がるときに、そこを担当していた関係で知り合ったので、明和電機の中の人たちに対して僕だけ外の人、みたいな距離感だったんです。

TASKOを始めてから、各メンバーでクロスしていろいろやれたらいいな、やれるだろうなと思って、手が空いてるときにKIMURAくんのシゴトを手伝ったりもしてたんですけど、会社にしたことでもともとの自分のシゴトが増えちゃって、舞台がある場所への出張も多いから、1週間いない間に自分の場所がなくなってたりしてたんですよ。
デスクも帰ってきたときに違う部門の机を間借りして使ったり、舞台制作部のミーティングの時は外に出なくちゃいけなくなってたり、武蔵小山ファクトリーではホントに居場所がなくて(笑)。」

役者から舞台監督になり、TASKOの設立メンバーとなった正田達也

役者から舞台監督になり、TASKOの設立メンバーとなった正田達也は舞台制作部門のチーフ。TASKOではKIMURAの設計制作部門に続き、物量の多いチーム。演劇や演芸、放送などの舞台を作る舞台制作部門は、どんどん作っては壊しをするうえに、現場作業も多く、演者さんの肖像権などの問題で作ったものを公開する機会も少ないため、TASKOではもっとも謎に包まれたチームとされてきた。

TASKOが関わっている
仕事のフライヤー達

3F事務所の扉を開けると、各事業部が関わっているイベント、展覧会、サービスなどのフライヤーが貼られた掲示板がお出迎え。互いの活動が自然に目に入ってくる仕組みだ。

TASKOが関わっている仕事のフライヤー達

田井地「いくつか見た物件で、大森町の元・銭湯という物件もあって、ちょっとみんなで盛り上がったんですけど、結局そこはやめました。交通の便が悪いということもあったし、武蔵小山ファクトリーを完全になくすつもりもなかったので、近いほうがいいだろうと。まあ、アートとか広告とかやってる会社だから『それっぽい』場所がいいな!という気持ちもありましたけど。」

正田「祐天寺ファクトリーに移って、やっと、あとから増えたTASKOのメンバーにも、僕らが何をやってるかなんとなくわかってもらえた感じですよ。以前にKIMURAくんのとこのイベントで舞台設営を手伝った時にも、へえー正田さんってこういう仕事をする方だったんですか!とか言われたし、僕がデスクで、電話で発注したり打ち合わせしたりしてると、ああ、正田さんってそういう事務系のこともやってるんですね!って(笑)。やってるよ!いままで場所がなかったから外で電話してたんだよ!外部の人に対して『謎の人』って状態なだけじゃなくて、同じ会社の人にも、僕の正体がわかっていなかったというね。

正田達也

そもそも今回の祐天寺ファクトリーへの移転は、この「舞台制作部の居場所作り」が発端。武蔵小山ファクトリーとは別に、舞台制作部用の物件を借りようかと探し始めたところから、それなら全部で引っ越そう、という話になった。

本当はもっと舞台制作部もどんなことをやっているか発表していきたい気持ちはあって、いまフリーペーパー『ココカラ』の連載『TASKOのシゴト』も始まったので、少しずつ公開していくつもりです。」

KIMURA「正田さんと僕のチームの若手が話す機会なんか、いままで全くなかったですもんね。もし新卒の社員を採用する機会があったら、いろいろな部門に研修に行かせるといいですよね。知識とか技術の共有は大切だし、何気にリンクするところはするので。」

「あとやっぱり、みんながワンフロアにいると楽しい。学校で各々が休憩時間に自分の遊びをやってるのが見えるみたいな、あれに近い雰囲気がありますね。」

織田「僕は元々グラフィックデザインやってます、どーん!みたいなタイプじゃなくて、重箱の隅をつつくタイプなので、業務改善みたいなものにも興味があるんです。だから、みんなの経費精算システムをデザイン&ウェブ事業部で作ったりして。すごく地味なんですけど、デジタル側での指揮を執る役割なのかなって。

僕自身もこれまでいろいろ経験してきたので、現場も手伝えるし、デザインも紙ものをやるようになってから、舞台制作部のシゴトなどにも関わるようになりました。
もともと他の部署と比べると場所を取らないというか、最悪ノートパソコン1台あればどこででも仕事ができるというノマド的スタイルでやってきたので、まあ移転に関してはおまかせというポジションでした。

デザイン&ウェブ事業部の織田洋介

デザイン&ウェブ事業部の織田洋介は、明和電機の工員からWebデザイナーとなり、フリーでの活動を経てTASKO創立に参加。馬喰町バンドでベーシストとしても活躍する多才な人物。デザイン要素はさまざまな案件に関わることからも、実はもっともすべての部署にリンクする部署でもある。

祐天寺ファクトリー外観

1Fが工場、2Fが打ち合わせスペース兼倉庫、3Fが事務所。4Fはコラボレーションスペースとして、さまざまな外部の団体の活動が予定されている。ハブとしてのTASKOの要となるフロアだ。

祐天寺ファクトリー外観

織田「僕もそうだけど、各自がもともと専門があるので、それぞれシゴトを受けて、自分の部署でこなしてきた。たまに紹介し合うこともあるけど、まあ少なかったですね。武蔵小山ファクトリーでは1Fと2Fに分かれていたので、そもそもいるのかいないのかもわからないし、みんな忙しいし、声をかけるのが面倒くさくなって諦めちゃう。それがワンフロアになることでずいぶん変わるかなと思いますね。正田さんの舞台の告知なんかも、社内にお知らせとして掲示したら、行きたい人いっぱいいるんじゃないかなと思って。メンバー全部で20人いるんで、情報共有は常にテーマとしてあるんですよ。なので、ちゃんとレイアウトしたメルマガを作ったらいいかなとは思っているんですよね。対外的にも出せるような。」

正田「そう思って最近はホワイトボードにチラシを貼ってみたりしてるよ。」

KIMURA「やっぱりTASKO新聞の発行だよ。最近僕は週報を作って送ってるんですけど、これは元々チーム内のメンバーに、僕がいなくても進行がわかるように情報共有するためのものだけど、もっと読んでおもしろいものができるといいよね。」

田井地「作ったらいいじゃない。」

4人が集まれば、話はいろいろな方向に転がっていく。

互いに声をかけられる距離にいられるようになった祐天寺ファクトリーは、4年の時を経てTASKOが原点に戻った状態なのかもしれない。

織田「その一方で、最近って『今までの会社と違う働き方してる会社ブーム』みたいなのもあるでしょ、そうくくられるのもちょっと危険視してて、あんまりわーっと派手に取り上げられて、話題になるのはいいけど、すぐに最近見ないね、みたいになるのも嫌だし。」

KIMURA「ミュージシャンで言えば、うまいスタジオミュージシャンみたいな位置がいいね。目立たないけど、長くやっていけるような。でも時々すごくいいアルバム出したりして。」

田井地「そうそう、TASKOは生き残るための組織でもあるから。」

生まれ変わる
武蔵小山ファクトリー

武蔵小山ファクトリーで行われたアパレルブランドのファミリーセールの様子。社内の美術制作部隊がデザイン・改装を行い、今後も多数のイベントが既に決定している。

生まれ変わる武蔵小山ファクトリー

4人が集まれば、話はいろいろな方向に転がっていきます。転がり、ふくらんでいく。アイデアがどんどん生まれ、まず作ってみようか、やってみようか、と手が動き出す。それこそがTASKOのチカラ。祐天寺ファクトリーという大きな植木鉢に植え替えられたTASKOという木は、また新しい芽をどんどんつけ始めています。

田井地「とりあえずTASKOとして第一段階はクリアしたかな、という気はします。今は僕ら4人がリーダーみたいになってますけど、新しく入った人も1〜2年経ったので、彼らが新たなリーダーとして現場をまとめたり、仕事をとってきたりできるようになってほしい。祐天寺ファクトリーへの移転をきっかけに、会社として次の段階に成長して行きたいなってのはありますね。このチームがあって、それぞれが強ければ、まだまだイケるはず。」

今後は、空いた武蔵小山ファクトリーの場所をHUBラボのようなオープンスペースとし、イベントや物販を通じて情報発信をしていくなど、新たな業態の構想もあるそうです。では、次の4年後は?

田井地「そりゃオリンピックでしょ! 東京オリンピックのシゴト取らないとね!」

TASKOの次の4年が、ここ祐天寺ファクトリーを拠点に始まります。

インタビュー:中高下恵(ココカラ編集長)
写真:桜木彩佳
場所:TASKO 祐天寺ファクトリー
2016/7/19

田井地、木村正田、織田

2016年8月19日(金)TASKO総出でおもてなしのオープンTASKOデー開催決定。通称OPTAS(オプタス)の詳細は近日公開!