設立5周年!taskoの若手座談会
DATE
2017.11.03
TASKO設立から5年。設立メンバーの元には、さまざまなスタッフが集まり、今では約20 名が所属する会社へと成長しました。今回は、成長の要とも言える各部署の中堅メンバー5人を集めて、TASKOのこれからについてお話をしてもらいました。
設計制作事業部の佐藤方紀は2013年7月入社。映像制作のアシスタントをしたり、フリーターをしていた当時、シェアハウスしていた広告制作系の友人の紹介で面接を受け、すんなり入社。大学から車が好きで自分で車の改造をして草レースに出ていた経験もあり、ものをいじったり作ったりするのは好きだったといいます。TASKOがどういう会社かは殆どわかっていない状態、でも、ものを作っている感じとかがなんとなく面白そうだなと思い応募したそうです。
同じく設計制作事業部に2015年7月からアルバイトとして入った沖山良太は、工場長KIMURAに「入るか!」と言われ、10月にそのまま社員となりました。それまではフリーターのバンドマン。TASKOでアルバイトを始めたのは、バンドが活動休止になってヒマになったタイミングで、前からやってみたかった職種で仕事を探し始めたのがきっかけでした。
佐藤「去年の夏から3月にかけて作った日本科学未来館の新展示『100億人でサバイバル』は本当にツラくて、もう逃げ出そうかと何度も思いました。規模がとにかく大きくて、最初は数名でやっていたのが、他の仕事の兼ね合いがあってそれぞれ別の仕事にかかってしまい、ひとりでやる期間がかなりあったんです。ここでどうにもならなくなって、それが一番きつかった」
日本科学未来館初の大規模リニューアル。
「100億人でサバイバル」zone2の設計、製作を担当。地球の仕組み、起こりうる災害など壮大なボールサーカスで表現しています。
佐藤「もう限界は超えてましたね。それで、素直にみんなに『もう無理だ』という話をしたら、みんなが『これは 思ってくれたのか、助けてくれて、本当にありがたかったし、それでなんとかなったので、いまこの会社にまだいるんだなと思ってます」
沖山「どうやらマジでヤバイ、と。単純に規模がでかいってのもあるんですけど、差し迫った感とか無限に終わらない感もあって、間に合わなさそう加減に愕然としまして、そこからブーストをかけて……ギリギリでした。でも間に合ってよかったです。間に合ったときは、一応形になったな、意外と間に合うもんなんだなと。完成してオープンした後も長かったですね」
佐藤「ツラかった分、でき上がったものに対しては愛着はありますが、コンセプト的にどうしても不具合が起きるものなので、何度も呼び出されて修理調整して……その回数が多いので、ものすごい経験値を得ると共に、ものづくりの難しさ、もどかしさを感じました。その分、面白いシゴトだなとは思いましたが」
沖山「本当に手がかかるし、一向に自立してくれない子どもみたいな感じでした。子育て長いなみたいな。最初未熟児で、ちょっと落ち着いたと思ったら次は反抗期が来てみたいな」
佐藤「今後は仕事以外の『遊び』を社内でもっとやっていきたいですね、部活動みたいな感じで。話はちょいちょい出るんですけど、なかなか動き出すところまで行かない。釣りとか、レーシングシュミレーターとか、クルマ部的なのを作って活動してみたいです。クライアントありきじゃない活動から、ものづくりとかそういう刺激を得られる機会を作りたいなと思っています」
沖山「まだ2年経ってないこともあって、インプットしてる情報量のほうが多い状態ですが、試したくなるようなアイディアをもうちょっと蓄えたいと思います。TASKOの人や物も含めた『資産』をいい感じに使ってアウトプットできるようになったらいいですね」
設計制作部の最新のシゴトは、アディダス渋谷店の店舗インスタレーション。LEDと導光板をつかった光のインスタレーションが4月18日まで公開されています。また、長崎のジブリ大博覧会が4月18日からスタート。機会があれば、ぜひご覧になってください。
祐天寺ファクトリー1F
ファクトリースペース
材料と工具がひしめき合う祐天寺ファクトリー1F。
ここからたくさんの作品が巣立っていった。
高橋「舞台制作事業部はセクション的に独立した部で、主に劇場への直行直帰が多く、いざ入社となっても設計制作部やデザイン&ウェブ事業部は未知の領域でした。武蔵小山ファクトリー時代は会社にも行く機会もほとんどなかったんですが、祐天寺ファクトリーに引っ越してからはデスクもできましたし、資料を作ったりするのも、オフィスに行ってやるようになりました」レギュラーで行っている日々のお笑いの舞台に加え、夏に向けて単独公演も増えてくる舞台制作事業部。演劇の公演など、案件は次々と予定されています。
高橋「結構いろんな現場をやらせていただいて、地方にも行く機会があるので、そこでも今後自分が携わっていければいいなというのはあります。お芝居も東京公演から派生して大阪もやります、みたいなものもあるので、東京だけじゃなくてツアー的なものについていって、活動範囲を広げられたら自分の力にもなるかなと思います」
高橋が入社後の2015年、TASKOの全部署が総出で行なう、初の自主イベントOKSATが開催されました。普段それぞれの部署がバラバラに活動することの多かったTASKOが、初めて一丸となってスミからスミまで作り上げたイベントでした。
高橋「OKSATでは、舞台を回すわたしたちのセクションがあって、みんながそれぞれ企画したものを披露して……あれがみんなで何かをやった一番最初のものじゃないかな。探り探りの部分はありましたが、フタを開けたらすごいイベントをやったなという感じでしたね。クラウドファンディングの達成もドラマティックでした。達成したときの動画が残っていますが、あれ、実は撮り直したんですよ。油断していたら突然カウントが上がって達成しちゃって」
クラウドファンディングで目標達成
クラウドファンディングで目標達成の瞬間。
音量の大きさに当時の興奮が伺える。
その後、知り合いだった織田がTASKOという会社をはじめて、アシスタントを募集しているということを聞き、できたばかりの武蔵小山ファクトリーに遊びに行ったそうです。
中村「遊びに行って、終業後にみんなで晩杯屋に飲みに行って……お酒飲めるんだ、じゃあまた明日ね!みたいな感じで入社することになったんです(笑)。当時はまだTASKOも創業メンバー4人と民夫さんと立夫さんがいるだけで、お昼には必ず全員いっしょにランチを食べる、みたいなのんびりした空気がありました。
ひとつの案件に肉付けして、紙をやって次はWEBを、次はこのデザインをもとにキャラクターを作って、みたいな感じで案件をひとつひとつ進めて積み重ねてきて、いまやっとデザインが分かってきたといいます。しかし、いまや中村のグラフィックはTASKOの顔になりました。
中村「グラフィックデザイナーですが、TASKOにいることで桂文枝師匠の現場を手伝いに行けたり、設計部の作るモノに必要なデザインを手伝ったり、CM制作の現場に行ったら、いきなり出演することになったり(笑)。そういうことができる会社はTASKO以外にあまりないと思います。デザイナーなのに溶接をやる機会も他ではないと思いますし。そういういろんな視点を経験できて、またそれをデザインに活かせるというのはいちばんのメリットだと思います。そういう日々を送っていると風通しも良くなって、インスピレーションも湧き、いろんないい刺激を受けられるんです」
美術制作事業部の加藤小雪は、映像美術や小道具、DTPデザインなど様々な活動をするなか、2013年からフリーの美術として数多くのTASKOの案件に関わり、2016年に入社しました。制作に長期間かかった無印良品の「MUJI 10,000 shapes of TOKYO」やP&G レノアハピネスの「Perfumery Organ」のシゴトは特に印象深いと言います。
社員全員のイラストが入っている。
Perfumery Organ
1857年に発表された、Septimus Piesse 著
「The Art of Perfumery」での”香階”の定義に基づいて音と香りの共奏を実現する楽器を制作。
各部署が連携することによって、相談もできるし、自分にない技術も取り入れられる、TASKOの良さを経験と実績で実感しているのは、実は創立メンバーよりも、その下を支えるこの世代なのかもしれません。
沖山「今回『若手座談会やるから』ということで集まったわけですが、そもそも若くないというか……そろそろTASKOから20代がいなくなりつつあるし、わりと色んな経験を経て集まってきた人が多いので、ピュアな感じの『TASKO育ち』みたいな人がそろそろ生まれてきてもいいんじゃないかなと思っています。何をやっている会社なのかわかりにくいところがあるので、複合体であるところの強みをまずアピールして、そこがTASKOのオリジナリティなんだよっていうのを知った上で若い人が来てくれるといいなあと思いますね」
この冬に手がけた第68回さっぽろ雪まつり×札幌国際芸術祭2017 『トット商店街』、『札幌ループライン』のクレジットでは、制作がTASKO、小道具もTASKO、衣装もTASKO、機械の設計製作もTASKO、協力のところにもTASKOのクレジットが入っています。こんな会社はおそらく、日本中を探しても他にないはず。このTASKOのおもしろさを、どうやって広げて、つなげて、膨らませていくか。いろんな計画のタネはそれぞれの胸の奥で根を張りはじめています。これからどんな風にそれが育っていくか、どうぞ楽しみにしてください。
写真:田井地直己/工藤幸平
2017/3/22
イベントスペースとして本格的に始動しはじめた武蔵小山ファクトリー。
TASKO参加と共にプロジェクトリーダーに就任した小森あやにとっての
TASKOとは、そしてムサコとは。
美術制作事業部 小森あや
大学卒業後、明和電機でTASKOの創業メンバーの4人とほぼ同時期に4年間在籍し、マネジメントや制作業務に関わってきました。その後、FESTIVAL/TOKYO、京都の劇団「地点」で制作を担当。劇団退職時にTASKOの田井地より「そろそろどうや?」的な連絡があり、2016年7月TASKO入社。
武蔵小山ファクトリーで「つくれ!ムサコ」運営責任者としてワンクール担当してきました。入社直後に立ち上げた企画ですが、自分の積み上げてきた経験と、TASKOが5年間で育んできたことが、いまここでちょうどマッチするんじゃないかとピンときた感覚はありました。約半年間「つくれ!ムサコ」をやってきて、回を重ねるごとに、地元武蔵小山の皆さんやものづくりに興味のある方々とのつながりも増え、武蔵小山ファクトリーという「場所」が認知されてきたという手応えはあります。「つくれ!ムサコ」は今後も継続して活動していくつもりですが、今年度は自社企画に力を入れ、もう少しTASKOという会社の色を出していきたいと思っています。
武蔵小山ファクトリーがTASKOの内と外をつなぐHUBとなるべく、新しいものを生み出していくその仕組みや、個性的なスタッフたちの連携を表現していくことができれば、またぐっと面白くなるかなと考えています。TASKOは関わるすべての人に付加価値をつけていくことができる、すごくおもしろい企業だと思っていますので、それをどんどん発信することができるように、もっと勉強して、盛り上げていきたいです。
「溶接やろうぜ!」
ニット、D.I.Y、溶接からシゴトのつくり方まで。ものづくりの達人たちが武蔵小山ファクトリーに集結しました。
「ハイパーニットクリスマス」
「ナリワイ・伊藤洋志」